こんにちは!
小麦粉編その3です。
その1、その2と小麦粉についてあれこれ解説してきました。
小麦粉ってただの白い粉かと思いきや、いろんな役割があってお菓子作りに欠かせない存在なんです。
その3では今まで解説してきた小麦粉の知識にプラスして知っておくとためになる小麦粉のお話をお伝えします!
今回スポンジケーキの配合についても詳しく解説しているので、予備知識として抑えておくとお菓子の上達にお役に立つかと思います!
最後には、知っておくと便利な小麦粉マメ知識もあるのでぜひご活用ください。
- 小麦粉とスポンジ生地の関係
- スポンジケーキやパンが固くなるのはなぜ?
- 知っておくと便利な知識
- まとめ
1.小麦粉とスポンジケーキの関係
さて、以前に失敗しないスポンジケーキの記事を書きましたが、小麦粉の性質を知ることでよりおいしい生地になったり、失敗とまではいかなくとももうちょっと改善したいなと思った場合に役立ちます。
小麦粉の使用量と粉合わせの比較の解説と、配合の悪い生地の状態の例をお伝えします!
・小麦粉の使用量が少ない場合
浮きが良く、やわらい食感になるが、焼成後の冷却による収縮が生まれやすく、ときには窯の中で落ちることもある。
・小麦粉の使用量が多い場合
浮きが悪く、表面が厚い、重く締まった硬い焼きあがりとなる。
・粉合わせが不足の場合
生地の比重が軽くなる。
粉合わせが不足だと浮きすぎ、かなり不足だと浮きの悪い状態になることが多い。
また、生地が厚く、粗いすだちなバサついた食感になり、老化が早い、
・粉合わせが多すぎた場合
比重が重くなって生地が粘ってくる。
浮きが悪くて、細かいすだちになりすぎ、締まって硬い食感になる。
・生地が硬い場合(粉が多い)
浮きが悪く表面が厚くなり、大きな斑点が出たり、艶がなくなる。
重くぱさついた食感になり、老化が早い。
・生地が軟らかい場合(粉が少ない)
焼成に時間がかかり、焼成中に縮むことがある。
表面に小さい斑点が多く出ることがある。
スポンジケーキなどのお菓子は、意味があってその配合を組んであります。
オリジナルで考える場合、大きく変更すると失敗してしまう可能性大です。
出来上がったスポンジケーキに満足がいかなかった場合、絶対何か理由があります。
どんな状況なのか、食感はどうか、硬さは?浮きすぎ?などそれが分かればそうなる場合の原因を考えれば改善点が見つかるはずです!
経験できてラッキーくらいに思おう!
2.スポンジケーキやパンが固くなるのはなぜ?
スポンジケーキやパン、時間が経つと焼きたてより固くなりませんか?
実は小麦粉の性質が関係してるんです。
スポンジケーキやパンってふわふわしていますよね。
その、ふわふわを作っている成分はデンプンです。
そのふわふわが時間が経つと固くなるのはデンプンの老化という現象なのです。
小麦粉はそのままでは食べられませんが、小麦粉に含まれるデンプンを水とともに加熱する事によって、おいしく食べられるのです。
デンプンは水と一緒に加熱されると水を吸収しながら膨らみ、糊のような粘りのある物質に変化します。
これが糊化です。この現象によってケーキやパンのふっくらボディができるんです!
デンプンは時間が経つとふわふわの構造を保つためにあった水分が排出されてしまい、固くなります。
布団の空気を圧縮すると固くなるみたいなイメージです!
さらに冷却がともなうとさらに老化が進むので、冷蔵庫にパンを入れると固くなるのもこのためです。
(油脂が多いものは油脂が固まる影響もあります。)
様子を見ながら少しずつ加熱してね。
3.知っておくと便利な小麦粉知識
Q.打ち粉にはなんで強力粉なの?
A.強力粉は薄力粉より粒子が粗く分散しやすいからです。
粒子同士がくっつきにくいため、強力粉の方がサラサラとした感触で、薄力粉はしっとりとした感触です。
打ち粉を薄力粉にすると、ベタベタくっついてしまい、上手く生地が剥がれないので、気をつけてみて下さい!
Q.なんで小麦粉って振るうの?
A.生地に小麦粉を混ざりやすくするためです。
袋に入った状態の小麦粉は、ぎゅっと詰まって保存されています。
このまま使うと分散されにくく、ダマの原因になります。
小麦粉を振るタイミングは、加える直前がベストです!
Q.小麦粉の保管方法は?
A.小麦粉は乾燥して、風通しの良い場所に保管するのが理想です。
湿気に弱く、カビや腐敗臭、さまざまな虫の繁殖場になりやすいので、大量に大袋でストックしてる方は管理には充分気をつけましょう!
Q.粉を加えるときどうして切るように混ぜるの?
A.グルテンを出さないようにするためです。
小麦粉に水分を加えて練るとグルテンが形成されます。
なるべく練らずグルテン形成を抑えるため、切るようにまぜます。
4.まとめ
さてさて、3編に渡り小麦粉について大ボリュームでお伝え致しました。
小麦粉はお菓子の形を保つ役割があって、サクサクやホロホロ、ふわふわと言ったお菓子の食感に大きく関わるということをぜひ覚えて頂ければと思います。
何度もお伝えしているのですが、お菓子の成功や失敗には必ずコツや原因があります。
そこで、材料の特性やお菓子に影響する性質を知ることで、お菓子作り上達の一歩になります!
これからもお菓子作りの難易度やハードルがちょっとでも下がるように、頑張って発信して行きたいと思います。
お菓子でみんなハッピー!
Sucre 吉田 ななこ